OURMedia 6 - Japanese

OURMEDIA/NUESTROSMEDIOS 会議のテーマ
持続可能な未来:
21世紀におけるコミュニティ、オルタナティブ、市民メディアの役割と課題
国の先頭で、あるいは国際的に活躍するリーダー、政策立案者、活動家、オルタナティブメディア関係者、地域社会の発展に関わる人々が一同に集り、将来の参加型メディアの役割と課題について話し合います。特に注目すべき主要な論点は以下のとおりです。
将来のコミュニティのあり方やオルタナティブカルチャーの発生をどのように理解するのか。また、コミュニティの持続可能な将来と、オルタナティブメディアの実践をどのようにしたら確実にできるのか。
21世紀は、オルタナティブメディアの形式(forms)についての調査・理論と、知識ベース経済の文化や創造性の役割を受け入れる気運とともに始まりました。市民メディア、ラディカル(急進的)メディア、フリーメディア(médias libres)、参加型メディア、戦術のメディア(tactical media)、コミュニティメディア、草の根メディア ― といったメディアの概念は、いかにメディア参加が毎日の出来事になり、人々にとって義務になりつつあるのかを示しています。今日、コミュニティネットワークの拡大は、地理的な場所よりも、興味・関心によるところが多くなっています。こうしたネットワークは市民参加のツール(ディスカッションリスト、ブログ、ビデオブログ、オープンパブリッシングフォーラム、ウェブマガジンなど)をデザインした新しいフォーム(形式)を生み出し、活用しています。メディアは、よりコンパクトでモバイルに、仲間同士のネットワークに、そしてハイブリッドになりつつあります。同時に、オープンソースやクリエイティブコモンズのコピーライト運動は、オルタナティブメディアについての議論を活発にし、さらに、アクセサビリティ(アクセスの容易さ)を求めるアドボカシー運動、知識やクオリエイティブプロダクションを共有する市民社会を目指すコラボレーションスペースの再活性化を促進しています。放送、ケーブルやサテライト経由のメディア、大複合企業やメディアネットワークにも変化は起こりつつあります。一旦、数カ国の中に活動を限定されてしまったコミュニティラジオやテレビ政策は、多国間にまたがる政府の課題へと進展していきます。

同時に、既存のコミュニティ放送は、デジタル放送の挑戦に直面しています。既存コミュニティ放送は、自らの放送する領域(broadcast spectrum)を改めて表明しなければならいでしょう。もし上手くいけば、デジタル放送テクノロジーに取り組まなければなりません。

最近まで、メディア参加はコミュニティ/オルタナティブメディアだけおいて独占的に行われていました。しかし今日では、拡大しつつあります。オンラインの主要なニュースサイトは、ブログを使った読者の参加を促しています。一方韓国のオーマイニュースは、主に読者によって記事が書かれています。ルパート・マードック(Rupert Murdoch)は無料のソーシャルネットワークを、巨大なマーケットマシンにするために、MySpaceを買収しました(Wired2006年6月)。こうした展望からすると、コミュニティ/オルタナティブメディアの将来はどうなるのでしょうか。

50年以上にわたり、コミュニティメディア提唱者は、メディアに取り上げられることのないグループへ発言権を与える戦略の一つとして、メディアプラットフォームへのアクセスとメディア・リテラシーの向上のキャンペーンを行ってきました。ブロードバンドの発達によって、アクセスや参加についての主要コミュニティメディアの方針は、今までにないほど実現しつつあります。メディア参加はコミュニティを基礎とした、not-for-profit(経済的利益のためでない)領域を超えて、コマーシャルや行政のセクターに広がっています。文化の変革は、聴衆、実践する人、政策決定者にとって深遠な意味合いがあります。ユーザーがリードするメディアの台頭に社会的な利益はあるのでしょうか?メディア参加が主要な活動になったとしたら、オルタナティブ/市民のメディアの存在意義は何になるのでしょうか?私たちはコミュニティ管理が必要になるのか、あるいは、商業モデルが流布していくのでしょうか?

市民メディア(ラディカルメディア、フリーメディア、参加型メディア、戦術的なメディア、コミュニティメディア、草の根メディア)についてのリサーチは、文化に変化が起こりつつあることや、公共のスペースへの影響を理解するのに役立ちます。この会議では、市民のメディアの持続性を確実にする実行可能な方法を築いていくために、理論家、政策立案者、および実践者らの専門的技術をもちよります。

OURMedia 第6回国際会議2007では、議論のためにいくつかのトピックを用意しています。4日間の会議で特に興味をもっている質問は:

・人々の知識や、人々による人々のためのメディアづくりをする学者、活動家、政策立案者、実践者にとって、未来はどのように見えるのだろうか?

・市民参加の新しいモデルの最先端に、なぜコミュニティメディアがあるのか?

・コミュニティメディアの新しい地理(地理的分布)とは何か? オルタナティブメディアの誕生が、国を超えて起こっている状況下において、‘コミュニティ’とコミュニティメディアをどのように理解したらいいのか?

・ローカルなメディア組織は、どのようにますます移行しつつあるメディアの展望に備えればいいのか?

・コミュニティメディア組織の持続可能性をどのように確実にするのか?

・コミュニティレベルにおいて、メディアへの、より広範な参加を促進するために、フォーマルな仕組みを必要とするか?

・どのようなコミュニティ、市民関与型モデル、戦略が効果があり、効果がないのはどれか。互いに成功した実践方法を学ぶためには、どのように参加型メカニズムを確立するのか?

・デジタル放送技術をできるだけ利用するため、内容と方針において、何がなされるべきか?(ワイヤレスメディアの台頭を含む)

・メディア集合の新しい展望における社会的モーバライゼーション(動員・流動化)において、オルタナティブメディアの新開地は何か?

・どのようにして、デジタルメディアは、自己決定、社会的な包含(social inclusion)、文化の再活性化、社会変動のための戦略的手段になりえるか?

・一点に集中していないIPベースなどの新しいインフラは、コミュニティ・コンテンツにどのような影響をあたえるのか?

・どのようにしたら実践者は、政策がセクターにとってうまく働くことを確実にできるか?

・ 知的所有権、方針についての市民参加、またはコミュニティメディア放送のデジタル領域(digital spectrums)などの技術的・方針に関する将来の条件はどうなっているのか?

会議の構造:セッション

会議は7種類のセッションによって構成されています。セッションの議長は、論文、パネル、プレゼンテーション、ワークショップを募集しています。内容は、革新的な文化研究、政治的・芸術的な実践、有効なコミュニティビルディング、社会変動の経験と過程、地域活性化のための戦術、そして/または、コミュニティの文脈における文化発達のモデルに関するものです。基調演説者は、これらの分野での主要な思想家、実践者、専門家が行います。

パネル:セッションでは、3人〜5人の研究者/実践者が共通のテーマについて発表し、ディスカッションを行う。

60分のプレゼンテーションと30分の聴衆との議論、質疑応答があります。パネラーは、グローバル/ローカルなプロジェクトや、コミュニティ/オルタナティブ/市民のメディアの発展を促進、強化するための実践・戦略・方策のモデルについてのイニシアティブについて具体的な見識を提供します。

研究/実践活動報告:テーマごとにグループ分けされた個々のプレゼンテーションは、コミュニティメディアを理解し、コミュニティレベルで社会的・政治的な活動に関与する理論とモデルを促進するための知的でクリティカルな情報資源を充実させるでしょう。15分間のスピーカーのプレゼンテーションに続き、10分の質疑応答があります。オーディオ機器をつかったダイナミックなプレゼンをしてください。

ワークショップ:
あるテーマについて、発表者と参加者の対話や議論を行います。特定の技術、実践、方法についての実用的なワークショップも予定しています。